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第60話 日本サッカーが推奨するサッカーにおける攻撃の優先順位とは?

目次

  1. はじめに

  2. JFAが示す「攻撃の原則」

  3. 攻撃の優先順位① ゴールを狙う

  4. 攻撃の優先順位② 前進する

  5. 攻撃の優先順位③ 幅と深さを活かす

  6. 攻撃の優先順位④ ボールを失わない

  7. 攻撃の優先順位が育成に与える効果

  8. 少年サッカーでの実践例

  9. まとめ

1. はじめに

サッカーにおける攻撃は「ただ前に運ぶこと」ではありません。ゴールを奪うという最終目的に向けて、状況判断に基づいた優先順位を持つことが重要です。JFA(日本サッカー協会)は「Japan’s Way」という指導指針の中で、攻撃の基本原則を明確にしています。本記事では、その考えに沿って「攻撃の優先順位」についてわかりやすく解説します。

2. JFAが示す「攻撃の原則」

JFAは攻撃における基本原則を次のように整理しています。

  1. ゴールを狙う

  2. 前進する

  3. 幅と深さを活かす

  4. ボールを失わない

これらは単なる戦術ではなく、選手にとって「状況判断の基準」となります。どんな試合状況でも、この優先順位を理解し行動できる選手はチームに大きな貢献を果たせます。

3. 攻撃の優先順位① ゴールを狙う

最優先は「ゴールを奪うこと」です。サッカーの目的は得点を取ることであり、チャンスがあるなら積極的にシュートを打つ姿勢が求められます。

例えば、ペナルティエリア付近でフリーの状態にあるなら、無理にパスを回さずシュートを選択すべきです。多くのジュニア年代では「シュートを打たずにパスを選ぶ」傾向がありますが、それはゴールという目的から遠ざかってしまいます。どんなに美しいパス回しや前進ができても、最終的に得点につながらなければ意味がありません。シュートチャンスがあれば積極的に打つ勇気を持つことが大切で、特に育成年代では「失敗を恐れずチャレンジする姿勢」が成長につながります。ゴールを意識する習慣は、選手の判断をシンプルにし、チーム全体の攻撃力を高める基盤となります。

JFAの考えは「シュートを打つ勇気を持たせる」ことにあり、チャレンジの積み重ねが得点力を高めます。

4. 攻撃の優先順位② 前進する

ゴールを直接狙えないときは「ボールを前進させる」ことが次の優先順位です。縦パスやドリブルで相手陣地に進むことで、ゴールに近づきます。

ただし、ここで大切なのは「リスクを理解した前進」です。無理なドリブルや精度の低い縦パスは、ボールを失いカウンターのリスクを生みます。状況を見極めながら、安全に前進することが重要です。

ただし無理な突進はボールロストの原因となるため、周囲のサポートや相手のプレッシャーを見極める判断力が求められます。前進する意識を持つことで、攻撃は停滞せずリズムが生まれ、チーム全体がゴールへ向かう一体感を育むことができます。

 
JFAは「前進する選択肢を常に探す」姿勢を重視しており、選手が自然と顔を上げてプレーできるようになります。

5. 攻撃の優先順位③ 幅と深さを活かす

ゴールを狙えず、前進も困難なときには「幅と深さ」を利用して相手を動かすことが大切です。サイドへ展開すれば相手守備を横に広げられ、中央にスペースを生み出せます。また最前線にボールを入れることで相手を後退させ、攻撃の起点を高い位置に作ることが可能です。幅と深さを意識したポジショニングは、味方同士の連携を円滑にし、攻撃の選択肢を増やします。結果として相手の守備を揺さぶり、新たなゴールチャンスを生み出す基盤となります。

  • 幅:サイドに展開して相手守備を広げる

  • 深さ:最前線にパスを入れて相手を下げさせる

特にジュニア年代では、どうしてもボールが中央に集まりやすいため、サイドを有効活用する指導が不可欠です。

6. 攻撃の優先順位④ ボールを失わない

最終的な優先順位が「ボールを失わない」ことです。ゴールを狙えず、前進も難しく、幅と深さも使えない状況では、無理をせずボールを保持することが重要です。

安全な横パスや後方へのバックパスを選び、次のチャンスを待ちます。ボールを保持し続けることで、相手を消耗させ、再び前進の機会をつくることができます。

JFAは「ポゼッションは目的ではなく手段」として位置づけています。つまり、ボール保持はゴールを奪うためのプロセスであると理解する必要があります。


7. 攻撃の優先順位が育成に与える効果

この攻撃の優先順位を理解してプレーすると、選手は以下の力を養うことができます。

  • 状況判断力:どの優先順位を選ぶべきか常に考える習慣が身につく

  • 勇気と積極性:シュートや前進を恐れない姿勢が育つ

  • チーム理解:幅や深さを活かす連携の意識が高まる

  • リスク管理:無理をせずボールを保持するバランス感覚が磨かれる

特に育成年代では「選手が自ら考えて判断できる」ことが重視されるため、この原則は大きな意味を持ちます。


8. 少年サッカーでの実践例

例えば、少年サッカーの試合でよく見られるシーンを例に考えてみましょう。

  • ケース1:ゴール前でフリー → 迷わずシュート(優先順位①)

  • ケース2:中央が詰まっているが、右サイドにスペース → サイドチェンジ(優先順位③)

  • ケース3:相手のプレッシャーが強く、前進が難しい → GKまで戻してやり直す(優先順位④)

このように優先順位を基準に判断することで、プレーが整理され、迷いが減ります。コーチや保護者も「なぜそのプレーを選んだのか」を理解しやすくなり、選手への声掛けが的確になります。


9. まとめ

サッカーの攻撃には明確な優先順位があります。

  1. ゴールを狙う

  2. 前進する

  3. 幅と深さを活かす

  4. ボールを失わない

JFAの考え方に基づくこれらの原則は、選手に「判断の基準」を与えます。特に育成年代では、ただ技術を磨くだけでなく、状況に応じた選択を学ぶことが不可欠です。

「ゴールを目指す勇気」「状況を読む目」「仲間と連携する力」をバランスよく育てるために、この攻撃の優先順位をチームや個人の練習に取り入れてみましょう。

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