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第63話 ボールを奪って次へ繋ぐ!少年サッカーに必要なDFのビルドアップ技術

はじめに

少年サッカーでは「守備=ボールを奪う」と考える選手が多いですが、現代サッカーではそれだけでは不十分です。大切なのは「ボールを奪って次へ繋ぐ」こと。守備から攻撃への切り替えがスムーズにできるDFは、チームの攻撃力を大きく底上げします。特にビルドアップに関わるDFの技術は、小学生・中学生年代から育てることで将来大きな武器になります。

目次

  1. ビルドアップにおけるDFの役割とは?

  2. ボールを奪う技術:1対1で勝つための基本

  3. ボールを失わない技術:奪った後のファーストタッチ

  4. 味方へ繋ぐパス技術:安全・確実・前進の3つの意識

  5. DFの視野と判断力を伸ばす方法

  6. 身体の向きとポジショニングで変わるビルドアップ

  7. 少年サッカーで取り入れたいDFの練習法

  8. 指導者・保護者が意識すべきサポート

  9. まとめ:奪うだけでなく「繋げるDF」がチームを変える

1. ビルドアップにおけるDFの役割とは?

「ビルドアップ」とは、自陣からボールを繋ぎながら前進し、攻撃を組み立てることです。DFの役割は次の3つ。

  • ボールを奪う(守備)

  • ボールを落ち着かせる(保持)

  • 攻撃の起点になる(展開)

少年サッカーでは、ただ「大きくクリア」するのではなく、「繋ぐDF」を育てることが重要です。これがビルドアップ指導法の第一歩です。ビルドアップにおけるDFの役割は、単に相手からボールを奪うことにとどまりません。奪った後に「ボールを失わずに保持し、味方へ繋げる」ことが求められます。DFが正確に繋ぐことで中盤やFWが活き、チーム全体の攻撃力が高まります。守備と攻撃を結ぶ“架け橋”こそが、現代サッカーにおけるDFの重要な役割なのです。

2. ボールを奪う技術:1対1で勝つための基本

奪う力はDFの根本。少年サッカーのDF練習では、まず1対1を徹底しましょう。

  • 正しい構え:重心を低くし、相手に寄せる。

  • 間合い:飛び込まず、我慢してついていく。

  • 狙う瞬間:相手のタッチが大きくなったときに奪う。

この「我慢」と「タイミング」を覚えることが、将来ビルドアップに繋げられるDFを育てます。詳しくは62話のブログに書いてますので参照下さい!

3. ボールを失わない技術:奪った後のファーストタッチ

奪ったボールをすぐに失えば意味がありません。少年サッカーで特に重要なのが「ファーストタッチ」です。ここで慌てて相手にぶつかったり不用意に蹴り出すと、再びピンチを招いてしまいます。大切なのは「相手から遠い方向へコントロールする」「身体でボールを隠す」「周りを確認して落ち着く」の3点。少年サッカーでは奪った瞬間に焦りがちですが、まずは自分のものにする余裕を持つことが次のパスやドリブルにつながります。ファーストタッチが安定すれば、守備から攻撃への切り替えが格段にスムーズになります。

  • 相手から遠ざける方向へ運ぶ

  • 身体でボールを隠す(キープ力)

  • 落ち着いて次の選択をする

指導者は「取ったら前!」だけでなく、「取ったら落ち着け」と声をかけてあげると良いでしょう。

4. 味方へ繋ぐパス技術:安全・確実・前進の3つの意識

ビルドアップでDFに欠かせないのが「味方へ繋ぐパス技術」です。まず意識すべきは相手に奪われない安全性。次に、受け手がコントロールしやすい強さと方向を選ぶ確実性。そして可能なら前進につながる味方へ出す前進性です。少年サッカーでは近くの味方に逃げるパスで終わりがちですが、少しでも前へ運ぶ意識があると攻撃が一気にスムーズになります。DFが正確にパスを繋げることで、守備から攻撃へ自然な流れを作り出すことができます。

  • 安全:相手に取られない場所へ出す。

  • 確実:受けやすい強さ・角度で出す。

  • 前進:チャンスがあれば縦パスを入れる。

少年サッカーでは「安全な横パス」から始めて、徐々に「前進する縦パス」に挑戦させると効果的です。

5. DFの視野と判断力を伸ばす方法

ビルドアップにおいて大事なのは「判断力」。そのために必要なのが スキャニング(首振り) です。ボールが来る前に周囲を確認し、味方や相手の位置を把握する習慣をつけることで、奪った瞬間に次のプレーを選びやすくなります。また練習中から「次は誰に出す?」と声をかけるだけでも判断力は育ちます。少年サッカーの段階で周囲を見て決断する力を磨くことが、将来の安定したビルドアップにつながります。

  • ボールが来る前に首を振って味方と相手の位置を確認。

  • 奪う前から「誰に出すか」をイメージ。

  • 落ち着いて複数の選択肢を持つ。

少年サッカーの段階で「周りを見て判断する習慣」をつけると、試合でのビルドアップ力が格段に上がります。

6. 身体の向きとポジショニングで変わるビルドアップ

ポジショニングの工夫で、DFはよりスムーズに攻撃へ繋げられます。DFがビルドアップを成功させるには、身体の向きとポジショニングが大きな鍵となります。身体を斜めに開いてボールを受けることで、相手のプレッシャーを受けにくく、前方の味方を視野に入れやすくなります。また、相手FWから隠れる位置で受ければ時間と余裕を持ってプレーでき、ワンタッチでの展開も可能になります。少年サッカーでは立ち位置の工夫だけで大きな違いが生まれるため、早い段階から「身体の向き」と「位置取り」を意識する習慣が大切です。

  • 身体を斜めに構える:正面だけでなく前方の味方を見やすくなる。

  • 相手から隠れる位置で受ける:余裕を持ってプレーできる。

  • ワンタッチで流せる準備:パススピードが上がる。

こうした細かい指導法が、少年サッカーのDFを大きく成長させます。

7. 少年サッカーで取り入れたいDFの練習法

「奪って繋ぐ」力を伸ばすには、以下の練習法が効果的です。

  • 1対1+出口:ボールを奪ったらミニゴールに繋げる。

  • 2対2+サーバー:奪ったら必ず中継役に出す。

  • ポゼッションゲーム:奪ったら味方と繋いでボールを保持。

  • GKからのビルドアップ練習:センターバックやサイドバックが起点になる形を繰り返す。

少年サッカーの練習では「守備の後に攻撃」がセットになるメニューを意識するのがポイントです。

8. 指導者・保護者が意識すべきサポート

少年サッカーでDFが「奪って繋ぐ」プレーを身につけるには、指導者や保護者の声かけが大きな影響を与えます。ミスを恐れずチャレンジできる雰囲気を作り、「クリアしろ!」だけでなく「落ち着いて繋ごう」と伝えることが大切です。また、成功したパスや判断を具体的に褒めることで子どもは自信を持ちます。失敗を責めるのではなく、チャレンジを評価する姿勢が成長を後押しします。大人のサポートが、繋げるDFを育てる最大の力となるのです。

  • 「クリアしろ!」ばかり言わない。

  • 失敗しても責めず、「いいチャレンジだった」と評価する。

  • 成功体験を褒めて「繋ぐプレー」の楽しさを実感させる。

こうしたサポートが、子どもの成長スピードを大きく変えます。

9. まとめ:奪うだけでなく「繋げるDF」がチームを変える

少年サッカーにおけるDFの成長は、「守備の強さ」だけでは不十分です。

  • 1対1でボールを奪う力

  • ファーストタッチで落ち着く技術

  • 味方へ繋ぐパスの精度

  • 視野を広げる判断力

これらを組み合わせた「ビルドアップできるDF」は、チームを一段階上に引き上げます。

守備から攻撃への切り替えを担える選手を育てることこそ、少年サッカーの指導者が取り組むべき大きなテーマです。

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