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第68話 なぜサングリエ明石は「答えを教えない指導」にこだわるのか?技術指導の裏にある教育理念

“考える力”を育てる。それがサングリエ明石のサッカー。

サッカーの練習で、子どもがミスをしたとき。
あなたならどう声をかけますか?
「もっとこう動け」と教えるのは簡単です。
でも、サングリエ明石ではあえて“答えを教えない”選択をしています。

それは、子どもたちが「自分で考える力」を身につけるため。
どんなに優れた技術よりも、判断し、選び、行動できる力こそが、
サッカーにも人生にも通じる“本当の成長”だと信じているからです。

今回は、サングリエ明石がなぜ「教えない指導」にこだわるのか。
その裏にある教育理念と、実際の指導現場での取り組みを紹介します。

目次

  1. はじめに:教えない指導とは何か

  2. 「自分で考える力」を育てるサッカー教育

  3. 答えを教えないことで生まれる“気づき”の瞬間

  4. 指導者が“答えを持たない勇気”を持つ理由

  5. 技術よりも先に育てたい「判断」と「主体性」

  6. 試合で本当に活きるのは「自分で決めたプレー」

  7. 教えない指導の具体的な実践法

  8. サングリエ明石が目指す“未来を生き抜く力”

  9. まとめ:指導ではなく、成長を導くために

1. はじめに:教えない指導とは何か

「どうすればうまくなるのか?」
サッカーを教える現場では、常にこの問いが飛び交います。多くの指導者は答えを提示し、子どもたちはそれを反復して覚えます。確かに、短期的には上達が早く見えるかもしれません。

しかし、サングリエ明石が大切にしているのは、「選手自身が自分で考え、選び、行動する力」を育てることです。
そのために私たちは、あえて「答えを教えない」指導を実践しています。

「教えない」と言うと、何も伝えないように聞こえるかもしれません。
でも実際はその逆。
選手が自ら考えた末にたどり着く“気づき”を大切にするのです。

2. 「自分で考える力」を育てるサッカー教育

現代のサッカーはスピードも判断もかつてないほど要求されます。
ボールを持った瞬間、数秒で複数の選択肢を見極め、最適解を導き出す力が必要です。

その力は、「答えを与えられてきた選手」には身につきません。
なぜなら、常に“誰かの指示”を待つクセがついてしまうからです。

たとえば練習中、「こう動け」「こう蹴れ」と細かく言われ続けた子は、試合中に自分の判断で動くことができません。
一方で、サングリエ明石の子どもたちは、指導者から

「今のプレー、どう思った?」
「別の選択肢はあった?」
と問いかけられる環境にいます。

その“問い”を通して、子どもたちは自分で考える力を自然に鍛えていきます。

3. 答えを教えないことで生まれる“気づき”の瞬間

子どもが自ら「わかった!」と感じる瞬間こそ、学びの本質です。
指導者が先に答えを示してしまうと、その貴重な体験が奪われてしまいます。

たとえばドリブルの練習で、相手を抜けない子がいたとします。
ここで「もっと速く蹴り出せ」と言うより、
「なぜ抜けなかったと思う?」と問いかけます。

数回の失敗と考察を経て、子どもが自分の中で

「相手との距離が近すぎたからだ」
と気づけた瞬間、技術は“自分のもの”になります。

それは単なるテクニックの習得ではなく、自分で課題を発見し、解決する力の育成なのです。

4. 指導者が“答えを持たない勇気”を持つ理由

教えない指導を続けることは、指導者にとっても大きな挑戦です。
なぜなら、子どもたちの反応はすぐには見えないからです。

「すぐに成果を出さなければ」と焦ると、つい答えを与えてしまいたくなります。
でも、私はそこをぐっとこらえます。

サングリエ明石の指導は、「教える」よりも「導く」ことに価値を置いています。
子どもが自分の中で答えを見つけ出すまで待つ。
それは時に遠回りのようでいて、実は一番の近道なのです。

“指導者が答えを持たない勇気”が、
“子どもが自分で考える自由”を生み出します。

5. 技術よりも先に育てたい「判断」と「主体性」

サッカーの本質は、技術だけではありません。
どんなにボールコントロールが上手でも、判断が遅ければチャンスは逃します。

サングリエ明石では、練習中に常に「判断」を伴う設定を行っています
たとえば、単純なパス練習でも、

「どの味方に出すべきか?」
「いつ出すべきか?」
を子どもたちに考えさせます。

答えが一つではない状況こそ、子どもたちの思考力を育てます。
そして、自分で選んだ行動だからこそ、プレーに責任が生まれる。

それが「主体性」を育てる根幹です。

6. 試合で本当に活きるのは「自分で決めたプレー」

試合中、指導者が声をかけ続けることはできません。
最後にボールを蹴るのも、走るのも、決断するのも選手自身です。

だからこそ、練習の段階から「自分で決める経験」を積むことが何より重要です。

たとえミスしても構いません。
自分で選んだプレーには、必ず次につながる学びがあります。

サングリエ明石では、子どものミスを「失敗」ではなく「発見」と捉えます。
指導者は「なぜそうした?」と問い、子どもと一緒に次の答えを探します。

この積み重ねこそが、試合で“生きた判断”を生む力になるのです。

7. 教えない指導の具体的な実践法

では、実際にどのように「教えない指導」を行っているのでしょうか。
サングリエ明石では、次の3つを軸にしています。

①「問い」を使うコーチング

  • 「どうすればうまくいくと思う?」

  • 「味方はどこにいた?」

  • 「もう一度やるなら、何を変える?」
    といった質問を投げかけ、子どもの思考を促します。


② 成功体験より“気づき体験”を重視

結果がうまくいかなくても、「自分で考えて動いた」ことを評価します。
その結果、子どもは失敗を恐れずチャレンジするようになります。


③ 指導者同士の学び合い

教えない指導は簡単ではありません。
だからこそ、コーチ同士がミーティングでケースを共有し、
どんな問いが効果的だったか」を話し合います。

このように、チーム全体で理念を実践しています。

8. サングリエ明石が目指す“未来を生き抜く力”

サッカーを通して育てたいのは、技術者ではなく「考える人」です。
社会に出ても、自ら課題を見つけ、仲間と協力して解決できる人。

それが、サングリエ明石が描く“未来を生き抜く力”のある選手像です。

サッカーで学ぶ「考える力」「伝える力」「挑戦する勇気」は、
どんな分野でも通用する普遍的な力です。

教えない指導とは、サッカーを超えた“人づくり”の教育なのです。

9. まとめ:指導ではなく、成長を導くために

サングリエ明石が「答えを教えない指導」にこだわる理由は明確です。
それは、子どもたちが自分で考え、行動し、成長できるようにするため。

短期的な成果よりも、長期的な成長を。
勝つための指導よりも、生きる力を育てる教育を。

私たちはこれからも、“教える”ではなく“導く”指導を続けていきます。

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